日本語訳の苦悩~「カタカナ語」にまつわる言葉の選択 その2
日本語訳の苦悩 その2 ~workshop~
「なんとかしてカタカナ語を日本語(漢字)に直したい、でも直すとなんか変な文を作ってしまう」に、相変わらず悩んでいます。
今回のテーマはworkshop(ワークショップ)。
よく美術館や博物館で開催されているのを見かけます。
週末になると、親子連れが参加し、学芸員さんやボランティアの方々の指導で、作品制作に励む様子が見られます。
私は東京国立博物館が大好きで、常設展や企画展にしばしば足を運びます。その際、教育普及スペース「みどりのライオン」にて、「勾玉づくり」や「和の模様でオリジナル絵葉書作り」など、催し物を実施しているのを見かけます。
座学のような教育ではなく、実際手を動かし「体験」することで、学びを提供することを目的としているようです。
そもそもワークショップとは何をするのか。
大辞泉を引くと「①仕事場。作業場。②参加者が専門家の助言を得ながら問題解決のために行う研究集会。③参加者が自主的活動方式で行う講習会」とあります。
まず英語圏での本来の意味は①を指すことが多いようですが、日本ではほぼ②③の意味で使われていることがほとんどかと思います。
ただそこには「講習会」であって「手を動かして何かを作る」という意味はないので、日本独自の「ワークショップ」が新たに確立している可能性もあります。
さて本題に入りましょう。今回テーマとなっている「ワークショップ」。この日本語の訳は何になるのでしょう?
自分の中では、インターネットでポチポチ検索する中で、案外早く答えがでました(笑)「体験講座」「体験教室」はいかがでしょう。なんだ、昔から聞き慣れた言葉ですよ!!
ただこれは一部のワークショップに当てはまるだけで、恐らく「所変われば品変わる」になるのでしょう。
つまりカタカナ語はある意味、「便利な言葉だ」ということです。
もちろん英語本来の意味が基本の軸としてあります。しかし言葉を輸入した段階で、日本独自の様々なイメージをその軸に肉付けして、新たな意味を作り上げてしまう。
かつ、その肉付けの仕方も、時代も場所も異なる様々な人が使い始めるから、きっちりとして意味もなく、なんとなくぼんやりしてしまうのではないか…と思うのです。
それは多くのカタカナ語に言えることですけど。
むしろワークショップに参加して初めて、人は「ワークショップってこんな意味」と、己の感覚で、ワークショップの定義を見つけていくのかもしれません。
その1はこちら。