ドリームプラネットのお仕事徒然草

ドリームプラネット・クールジャパン事業部。アニメやゲームに関連した文化を輸出する仕事。海外展開のちょっとした悩み、あったらいいなをお届けします。

日本語訳の苦悩~「カタカナ語」にまつわる言葉の選択

日本語訳の苦悩 ~“Talks and seminars for creators. ”をどう訳すか?~

 

今回テーマにしたいのが、「英和翻訳で苦労したこと」。仕事上、イベント関連の英文を日本語に翻訳(またはその逆)することが多いのですが、そんな時、一番悩むのが「カタカナ語」にまつわる言葉の選択です。

 

例えば“Talks and seminars for creators. ”これをどう訳しましょう。

 

イベントの内容を説明する部分にあったこの文を、私は「クリエイター向けのトークとセミナー」と訳しました。我ながら、下手な翻訳です。
ほぼ全てがカタカナです…(泣)

しかし、これをすべて日本語に直したらどうなるでしょう。

「考案者向けの講演と演習」

 

一気におカタい文になってしまいました…(泣)

今や、英単語がそのままカタカナ語で定着し、日常生活でも数多く使われているのが現状です。「考案者」よりも「クリエイター」の方を目にすることが多く、「セミナー」と「演習」では、なんだか想像するものも違う気がする…。言葉の選択は、読み手・聞き手に分かりやすく、伝わることが第一、そして言葉の持つ雰囲気「語感」が大事なのだと常々感じます。

 

 一方で、最近日本語に顕著なのが、「カタカナ+する」で表される単語。確かに「スケッチする」など、「名詞+する」でサ行変格活用(中高生の国語の授業みたいですみません…笑)の立派な動詞になります。しかし、「結果にコミットする」「予定をフィックスする」など、あまりにもカタカナ語を多用すると、なんとなくカッコイイですが、どこか意味がぼんやりしませんか?「結果をお約束する」「予定を決める」と日本語で説明するのではダメなのか…

 

かといって自分の訳を見ると「内容」を「コンテンツ」と書いていたり、「両者を引き合わせる」ことを「マッチングする」と書いていたり…嗚呼、カタカナ語の多さに、我ながら嫌になる…(泣)でも、意地を張って、それに相当する日本語を使おうとすると、「なんだか雰囲気が違う」と思うのです。

 

とすると、やはり翻訳をするときに大切にすべきは「語感」。
特に「海外の人にしかわからない雰囲気・その国らしさ」があるのです。
それを無理やり日本語に寄せようと思うと、かえっておかしくなります。
ですので、カタカナ語は「適度に使う」が大切かと…このようなジレンマに陥りながら、翻訳作業をしています。